新しい太陽系 渡部潤一 新潮新書 ★★★☆☆
冥王星「降格」──久々に太陽系が人々の話題にのぼった。しかしそれは、太陽系には冥王星に匹敵するような天体が沢山あるということが分かってきたからである。冥王星は準惑星になったが、Wikipediaによれば、現在のところ準惑星はケレス、冥王星、エリス、マケマケ、ハウメアの5個である。ただし、セドナのようにこれから準惑星に分類される可能性のある天体もいくつかある。なお、dwarf planetは「矮惑星」と訳されていたが、「準惑星」で定着したようである。
私が小学生の頃、ボイジャーが木星と土星に接近した。カール・セーガン博士による「コスモス」という番組が放送されたのもこの頃である。その時代と比べて、新たに何が分かったのかを知りたかったが、期待したほど未知のことは書かれていなかった。バイオロジーの世界では二、三年もすると教科書が書き換わってしまうが、天文学のような歴史のある学問ではなかなかそういうことはないのだろう。現在、木星と土星の衛星はそれぞれ60個以上も知られており、当時よりも相当増えているが、この点についての解説もあまりなかった。ただ、太陽系にはまだ分かっていないことが沢山ある、ということは分かった。
ところで、Titius-Bodeの法則というのがあるが、これは単なる偶然だったのか・・・。(08/12/02 読了)