戦争の日本近現代史 加藤陽子 講談社現代新書 ★★☆☆☆
「東大式レッスン」というけれど、実に難解。
歴史研究は、一次資料を丹念に読み込むところから始まるのであろう。しかし、『シリーズ日本近現代史5 満州事変から日中戦争へ』もそうだったのだが、いくら読んでもサッパリ頭に入らなかった。まずは基本的な事実をしっかり押さえてからでないと、この人の本には手を出してはいけないらしい。それに、帝国主義の時代に、為政者がどのような論理で戦争を正当化していったかを理解するという作業に、そもそもあまり魅力を感じないのであった。
明治以降、日本は戦争ばかりしていた。とはいえ、戦争の時代はそう長く続いたわけではない。日清戦争(1894年)からアジア・太平洋戦争の終結までは51年であるから、実は、敗戦から現在にいたる「平和な時代」(64年)の方が、既に遙かに長い。(09/03/13 読了)