読書日記 2009年

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スイス──花の旅 中塚裕 中公新書 ★★★★☆

アルプスに行くのだ!本来、あまりにキレイすぎるところは性に合わないので、スイスという国にはさほど魅力を感じていなかったのだが。
ガイドブックを見ながら本書の写真を眺めていると、九州ほどの小さなスイスという国が、豊かな多様性を内包していることが分かってきた。スイスは、「中心のない国」なのかもしれない。ツェルマットに暫く滞在するつもりだったが、あんまり予習しすぎると、色んな所に行きたくなってしまって困る。

特に、スイス第4の公用語・ロマンシュ語が話されている、エンガディン地方のグアルダは是非訪れてみたいものだ。サンモリッツを拠点として、この周辺の3000m峰に登りたい。ちなみに、このエリアにある唯一の4000m峰はピッツ・ベルニナPiz Berninaであるが、Pizはロマンシュ語で「頂」という意味である。
それから、ヨーデル発祥の地、東北部の秘境アッペンツェルや、スイスの心、歴史あるルツェルンも捨てがたい。チューリヒ、ジュネーブ、ベルン、都市もそれぞれが全く異なる表情をもつ。

私はやっぱり花よりも山が好きなので、花の写真を見てもあまり心を動かされることはないのだが、野一面を覆うナルシスの群生、「五月の雪」は見事だと思う。この写真を一番最後にもってきた著者の気持ちも分かる。(09/06/14 読了)

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