読書日記 2017年

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印度放浪 藤原新也 朝日文芸文庫 ★★★☆☆

この本を買ったのは、もう20年ほども前のことだった。しかし、読まずに本棚の中で眠っていた。
この度、期せずして仕事でインドを訪れることになり、シミだらけになった本書を携えていった。
分厚い藁半紙の、一風変わった装幀の本である。
色褪せた写真が味わい深いが、もともとそういう写真なのか、本の印刷が色褪せたのか。そこまで見越してこういう装幀にしたのだろうか。

本書は、14年もの間、諸国を放浪していたという著者の処女作である。このとき著者はまだ二十代半ばだった。
1970年初頭、日本は高度経済成長期のまっただ中であり、インドには世界中からヒッピーが集まっていた。
文章は、紀行文というよりは、私小説、あるいはポエムである。全篇から自己陶酔の気配が漂ってくる。
あまり心に響かなかったのは、私が年を取ったからなのか、時代が変わったからなのか・・・。(17/12/13読了 17/12/23更新)

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