安楽死を遂げた日本人 ★★★★☆ 宮下洋一 小学館
NHKスペシャル「彼女は安楽死を選んだ」という番組を見て、衝撃を受けた。とりわけ、実際に安楽死を遂げるその瞬間にまで、テレビカメラが密着していたのが驚きだった。
この番組を見て、自分は安楽死推進派になった。あと20年もすれば、日本でもごく普通に安楽死を選択できる時代になっているかもしれない。
本書は、NHKスペシャル取材班によって書かれた本かと思ったが、そうではなかった。
奇妙なことに、まったく同じ人(小島ミナさん)を別々に取材していたのである。本書の中にも、NHKスペシャルの取材の様子がメタ的に現れる。
本書には他に何人か、安楽死を希望する人が登場する。本書を読んでやや違和感を感じたのは、取材者がインタビュアーに対してコミットし過ぎなのではないか、ということだ。自分の価値観を押し付けるような「上から目線」のコメントが気になった。
とはいえ、この問題を考える上でまず読むべき1冊であることは間違いない。
安楽死に反対する人がいることも理解できるし、問い続けていかなければならない重要な問題だと思う。
小島ミナさん(ブログでは紺美さん)のブログはこちら:
多系統萎縮症がパートナーになっちゃた
(23/06/17読了 23/12/22更新)