Home > マラソンの記録 > 2015年 つくばマラソン

グロス:3時間48分55秒(3589位/10216人)
ネット:3時間48分11秒

Start 0:00:44
5km 0:28:14 0:27:30
10km 0:55:11 0:26:57
15km 1:21:55 0:26:44
20km 1:48:25 0:26:30
Half 1:54:16
25km 2:14:59 0:26:34
30km 2:42:42 0:27:43
35km 3:10:02 0:27:20
40km 3:37:07 0:27:05
Finish 3:48:55 0:11:48

9回目のフルマラソンは、4年前に自己ベストを出したつくばマラソン。しかしその後、低迷が続いた。ここのところ、2年連続で25キロ過ぎから大崩れし、サブ4.5もままならない惨状だった。

涼しくなったら本気を出すつもりだったが、9月以降は殺人的に予定が詰まってしまい、練習はマックス週1回。走行距離は、

9月 71.5km+山歩き3日(智異山)
10月 80.9km
11月(本番まで) 48.5km

という按配。本番一ヶ月前以降は、ただの一度も20キロ以上走っていないというテイタラクだった。

というわけで、本レースのキャッチフレーズは「自分史上最低の練習量でのぞむフルマラソン」。目標タイムは、「自己ワースト(4時間36分)を更新しないこと」だった。

しかし! 蓋を開けてみれば、サブ4はおろか、3時間50分切りも達成してしまった。これは、ここ4年ほど(2012年1月の勝田以降)の自己ベストである。昨シーズンの最終レースよりも速かったのが嬉しい。
しかも、5キロごとのラップのブレがほぼ1分以内に収まるという、芸術的なペース配分だった。

勝因は、体調が良かったことに尽きる。前日の夜も8時間眠った。
なんせこれまでは、レース当日か直前に、風邪を引かなかったためしがないのだ。
大して練習してないから、怪我もしなかった。(ただ、本番3日前に初めて本番用シューズを履いて走ったら、右足首の古傷が痛み出し、若干嫌な空気が漂った。そのため、本番は右足の置き方をずっと気にしながら走っていたのも良かったのかもしれない。)

いつものように、前日夕方にマッサージに行った。前日のマッサージは筋肉が緩むから良くないと言われる。まぁサブスリーランナーとってはそうかもしれないが、私くらいのレベルのランナーにとっては、序盤のペースが抑えらるので却って良いと思う。

朝5時に起きて、餅3個を胃袋に詰め込む。移動中にバナナ、出走直前にウィダーイン・ゼリーとカステラ3個という具合に食べまくった。
さらに、レース中に全エイドで補給・給水した。お陰で、走っていて空腹感を感じることはまったくなかった。

7時14分着の臨時快速で研究学園駅に着き、待ち合わせをしてからバス乗り場に行ったら、予想以上に行列が長くて焦った。会場入りしたのはぎりぎり1時間前だった。
荷物を預けてトイレを済ませると、もうスタート15分前になっていた。

記録によれば、去年のつくばは直射日光にやられて暑かった。そこで、今回は半袖Tシャツ1枚で走ることにした。
ところが、出走直前に気温が低下して冷たい風が吹き始めた。長袖に着替えるべきか悩んだが、すでに荷物を預けてしまったので手遅れだった。
しかし結果的には、レース中寒さを感じることはなく、かといって暑すぎることもなく、絶好のコンディションだった。

ペースについては、何も考えていなかった。 今年からウェイブスタートが導入された。私はCブロックで、9時10分発組の先頭だった。そのため、スタート時の混雑はほとんどなかった。これは良いシステムである。
つくばマラソンは、1キロごとに正確な距離表示(標語つき)があって安心できるし、エイドも分かりやすく、ランナーの立場に立って工夫された素晴らしい大会だ。

5キロ通過は、ちょうどキロ5分半のペース。ややオーバーペース気味に感じたが、結果的には、これはとても良い入り方だった。
10キロで体温が上昇し、既に息切れしていた。脚に力が入らない。10キロってこんなに疲れるっけ?と思った。
とはいえ、ペースを落とすのもシャクなので、流れに身を任せて、行けるところまで行ってみようと思った。

次第に調子が出てきた。思わずペースが上がりそうになるところを、「まだ上げるのは早い・・・」と思ってグッとこらえる。
25キロを通過。ここまでキロ5分15秒〜20秒のペースで快調に走っていたが、急に脚が重く感じられる。
27キロ地点が鬼門である。例年、このあたりで過呼吸(不整脈?)に襲われ、そこから先はまったく走れなくなるのだ。
すると、突然頭がクラッとし、心臓が締め付けられるように苦しくなって、一瞬意識が飛びそうになる。ヤバイ!
ここで早くも、1発目のパワージェルを投入する。例年は32キロ地点くらいまで粘るのだが、今回はパワージェルを3個持っていたので、精神的に楽だった。
心拍が上がりすぎるのが怖くて、ペースを落とした。そのため、25〜30キロが一番遅いラップになった。

30キロを過ぎて初めて、もしかして行けるかも!?という気になってきた。
残りは、たったの皇居2周ちょっと。そろそろペースを上げてもいいだろう。
ここから本当のマラソンが始まるのだ!この苦しみを味わうために、今まで走ってきたのだ!
・・・しかし、投入した労力を増やした分、疲労感も増大していたので、ほとんどペースは変わっていなかった。

35キロを通過。ここまで来ると、もうほとんど抜かされない。周囲の景色がスローモーションに見えてくる。
瀕死の状態のランナーをゴボウ抜きしながら、彼らのエネルギーを吸い取ってますます元気になっていく。まだまだ走れるぞ!
残り5キロの時点で、時計はまだ3時間21分を指していた。あと29分以内にゴールすれば、3時間50分を切れる!
しかし油断は禁物だ。心拍が上がりすぎないように、一個のマシーンを化したようになって淡々と走る。大音量のロッキーのテーマが、頭の中をぐるぐる回る。

沿道に知り合いを発見すると、本当に勇気づけられる。○いぞうさんの3回目の応援にパワーをもらい、最後の坂道を駆け上がる。が、ここで脚が攣りそうになる!
「脚攣るな〜、脚攣るな〜」と念じながら走ってゆく。
筑波大学の構内に入る。39キロ地点。2年前、激しく脚が痙攣して15分ほども身動きが取れなくなり、屈辱にまみれながら路上にうずくまっていた場所だ。
折り返して、40キロ地点を通過。最後の給水はスルーしようと思ったが、ゴール500m手前で過呼吸に陥ったこともあるから、落ち着いてスポーツドリンクを摂取する。
残り1キロ、もうインターバル走の距離だ。角を曲がれば、唐突に、栄光のゴールゲートが現れる──

*****

今回、まったくの練習不足だったが、もしかして効果があったかもしれないことが2つあった。
一つはスピード練習である。真夏は暑くて距離を稼ぐことはできない。そこで7月、8月は、長い距離を走るのを諦め、代わりに1キロのインターバル走だけをやった。あき○うさんに教えてもらった、皇居の0.2km地点から1.2km地点までの1キロのコースだ。これはキツかった。
もう一つは、走り込みをする時間は全くなかったものの、腹筋運動と上半身のちょっとしたウエイトトレーニングを割と毎日やった。マラソンは上半身が7割とかいうけれど、この体幹トレーニングのお陰か、終盤になっても腰が落ちることはなかった。

今回は出来過ぎだったが、こうなると欲が出てきてしまう。
自己ベストを更新するためには、まだ5キロにつき1分以上縮めなければならないのだ。でも、ここらで頑張って自己ベストを更新しておかないと、もう一生更新できないかもしれない・・・。

まとめると、今回の勝因は
①体調が良かった ← なんといってもこれ!
②真夏のインターバル走
③体幹を鍛える
④前日夕方のマッサージ
⑤食べまくる。全エイド補給
⑥直前の芍薬甘草湯投入(脚攣り防止のドーピング)
⑦スタート時に寒くても気合いで半袖
⑧25キロ地点、早めのパワージェル投入

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