読書日記 2012年

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陽だまりの彼女 越谷オサム 新潮文庫 ★★★★☆

この小説は、あまり深く考えずに読むのが吉。以下、若干ネタバレ注意。












広告代理店の新入りとそのクライアントという立場で、中学校以来10年ぶりに浩介は真緒と再開する──というベタな設定で始まる、ベッタベタの恋愛小説。ところが、真緒には人には言えない重大な秘密があるようで・・・。読み終わってから、実は色んな伏線がちりばめられていたことに気付くという、『イニシエーション・ラブ』的な世界。でもこれは、ベタな恋愛小説と思いきや、ん?ミステリー?と思わせておいて、実はファンタジーだったという三段階構造なのだ。

たぶん好みが分かれると思うけど、個人的には好きだなぁ。そういう経験がある人なら、「そいういうこともあるかもね」ときっと思えるだろう。全てが明らかになってから読み返すと、「そういうことだったのね・・・」と泣けてしまうのだけど、でも何だかほのぼのとした気分になれる。

「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No. 1」というオビはどうかと思うけど、裏表紙の解説は、実は深い。<──その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる!誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさも、すべてつまった完全無欠の恋愛小説。> そう、これはまぎれもなくハッピーエンドだし、「完全無欠の」恋愛小説・・・なのだ。だって、ホンモノの恋愛は、決してこれを超えられないからね。(12/01/19読了 13/02/10更新)

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