読書日記 2020年

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離散数学パズルの冒険 T.S. マイケル 青土社 ★★☆☆☆

いくらなんでも翻訳がひどすぎる。「まえがき」の最初の一文を読んだ瞬間に、本を放り投げたくなった。
一体、翻訳者はこんなんでいいと思っているのか、編集者はなぜゴーサインを出したのか、まったくもって理解できない。

内容は結構面白いだけに残念。数学の本なので、いくら翻訳がひどくでも理解不能というわけではないが・・・。
一番面白かったのは、美術館監視問題だろうか。どこかで見たことがあるけれど。

「3リットルと5リットルの容器を使って4リットルを量れ」というのは有名な問題である。実は、互いに素な割合の大小の容器を使えば、ある一定の操作を繰り返すことで、どんな整数単位の量でも量り取ることができる。

本書のクライマックスは、平方剰余の相互法則(Law of quadratic reciprocity)である。背後には深遠な世界が広がっているはずだが、本書の説明だけで理解するのは無理だろう。(20/11/12読了 21/01/22更新)

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