世界の果てに、ぼくは見た ★★☆☆☆ 長沼毅 幻冬舎文庫
経験上、一人称を「ぼく」という人の書く文書は稚拙である。
その経験則の正しさを示すサンプルが、また一つ増えてしまった。
著者は「辺境生物学者」ということで、アタカマ砂漠とかスピッツベルゲン島とか南極のリビングストン島とか、旅人垂涎の僻地に仕事と称して行けるのは羨ましい限りだ。
しかし、であれば研究の話を書けばいいものを、肝心の研究の話はほとんど出てこない。
話題は病的に発散してとりとめもない。そこで自慢気に披瀝されるネタも、隔靴掻痒の感が否めない。
ほとんど唯一、参考になったといえるのは、上甑島の貝池のクロマチウムくらいか。ここには行ってみるつもりだ。(25/11/26読了 25/12/07更新)

読書日記 2025年