読書日記 2008年

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読書術 加藤周一 岩波現代文庫 ★★★☆☆

本書は1962年に書かれたので、挙げられている例は流石に時代を感じさせるが、文章は平易で、大変読みやすい。と思ったら、これは高校生へ向けて書いたものなのだそうだ。高校生向けにしては、「読書は"愛のいとなみ"に通じる」など、随分とレベルが高い。それにしても、「読書術」について書くというのは、よほど博覧強記でないとできないことだ。

人生は短く、面白そうな本は多し。どんなに頑張っても、一生のうちに読める本はせいぜい一万冊、というのは絶望的なほどに少ない。だから、下らない本を読んでいる暇はない。しかしその一方で、「乱読」の弊害などというものはなく、ただ、そのたのしみがある。読書の愉しみは無限である。要するに、仕事として読むのでなければ、何でもいいから読みたいものを読めばいいのだ、と思う。(08/08/26 読了)

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