読書日記 2009年

Home > 読書日記 > 2009年

「私はうつ」と言いたがる人たち 香山リカ PHP新書 ★★★☆☆

「鬱病と診断されてがっがりした人は鬱病、喜んだ人は鬱病じゃない」という、あながちジョークとも言えないジョークがある。
15年前頃までは、鬱病は、口に出すのも憚られる病気だった。今、「鬱病」という言葉はあまりに安易に使われ、それが自分の大切なアイデンティティになっている人がネット上で増殖しているという。仕事には行けないが、海外旅行に行ったり高級レストランで食事することはできる「鬱病セレブ」がいる反面、本当に鬱病で苦しんでいる人たちは「鬱病難民」化しているという、歪んだ社会。本書の主張とは直接関係ないかもしれないが、いつから「頑張らない」ことが美徳になったのだろうか、と思う。(09/04/23 読了)

前へ   読書日記 2009年   次へ

Copyright 2009 Yoshihito Niimura All Rights Reserved.