ちいさい言語学者の冒険 広瀬友紀 岩波科学ライブラリー ★★★☆☆
子供がどうやって言語を習得していくか、というのは非常に興味深い問題である。
本書は、著者の息子さんの実際の発話をふんだんに取り上げ、それを言語学的な視点から解説している。なるほど、言語学者はこういうところに着目するのか・・・と感心してしまう。
とても平易な、優しい語り口で書かれており、驚くほど読み易い。
ただ、あまりにもあっさりと読み終わるため、物足りなさを感じてしまう。言語習得について体系的に説明する、というよりは、ブログに近い。
子育て中の人は、言語習得の過程にある子供の発話をいつも耳にしているのに、それは数年以内に消えてしまう。本書をきっかけにして、ネットを介して大規模なサンプルが集まれば、なにか新しいことが見つかるかも・・・などと思った。(17/05/29読了 18/03/07更新)