新橋アンダーグラウンド 本橋信宏 駒草出版 ★★★★☆
「新橋」が一冊の本になる!?
軽い気持ちで読み始めたが、予想の斜め上をいく面白さだった。しかも、なかなか読みでがある。
新橋系ナポリタン、新橋の昭和感の象徴・ニュー新橋ビル(私と同い年だ!)、スタジオジブリ、最後のフィクサー・朝堂院大覚、SL広場の靴磨きのお婆ちゃん、大衆居酒屋の名物店員、そして・・・。
新橋を舞台に繰り広げられる人間模様、交錯する人生──。
新橋は昭和感溢れるレトロな町だけど、これほどまでにディープだとは思いもしなかった。
もっともそれは、新橋からここまで話題を広げられる、著者の取材力のなせる技かもしれない。
いかにも週刊誌の連載といった風情だが、実際のところ、著者はフリーのライターとして週刊誌に寄稿していた。
本書は、失われゆく週刊誌文化への挽歌にもなっている。(18/06/10読了 19/02/08更新)