はじめてのインド哲学 立川武蔵 講談社現代新書 ★★☆☆☆
「はじめての」インド哲学といいつつ、これほどまでに意味不明な書物も珍しい。プルシャとか(原人/霊我)とかプラクリティ(原質)とかアビダルマとか説一切有部とか因中無果論とか、ジャーゴンを並べ立てずに、日常の言葉で説明することはできないものだろうか。頑張って字面を追っていっても、やがて心地よい眠りの世界へと誘われていってしまう。
ヴァイシェーシカ哲学では、「これは壺である」という命題を「これには壺性がある」というかたちで理解する、という話はちょっとだけ面白い。
仏教はバラモン思想を批判するところから興ったのであり、仏教思想を理解するためにはその背景となるインド哲学を知っておかなければならない、ということはわかった。(19/03/06読了 19/04/14更新)