日本語と日本人 司馬遼太郎 対談集 中公文庫 ★★★☆☆
司馬遼太郎の博識ぶりには、ただただ圧倒される。
これらの対談がなされたのは、昭和50〜52年。当時はまだ、戦争の記憶が身近にあった。戦後30年しか経っていなかったから、現在から平成時代を振り返るのと同じくらいの距離感に敗戦があったことになる。
司馬さんは、日本から急速に多様性が失われていくのを嘆いていた。それでも当時は、日本のそれぞれの地方が、独自の豊かな文化と言語を保持していた。
昭和時代が今よりも良い時代だったとは思わない。だが、昭和時代の良かったものは、今や壊滅的に失われてしまい、二度と戻ってくることはない。(20/04/25読了 20/08/08更新)