においが心を動かす ★★★☆☆ A.S. バーウィッチ 河出書房新社
最初の2章は嗅覚研究の歴史に割かれていて、ここは他のどの類書よりも詳しい。大量の参考文献が付されていて、資料的価値も高い。
しかし、後半に行くにつれてますますマニアックになり、読み進めるのに骨が折れる。
原著のタイトルが Smellosophy であることが示すように、著者は「嗅覚哲学」とでもいうようなものを提唱したいようだが、今ひとつ論旨がはっきりしない。
表紙裏に書いてある宣伝文句がただの「匂いウンチク」の羅列に過ぎないあたり、編集者も著者の主張を理解していないような…。
(21/08/29読了 23/12/22更新)