福島 原発と人びと ★★★★☆ 広河隆一 岩波新書
コロナとか戦争とか衝撃的なニュースが多すぎて、もはやフクシマの事故は歴史の中に埋没してしまったかのようだ。我々はどのように原発と付き合っていくべきなのか、よく議論されないまま、なし崩し的に再稼働へとつき進んでいる。
とはいえ、火力も水力も太陽光も風力もそれぞれ問題があり、原発を止めれば済むという単純な話ではない。これは、正解のない問題なのだ。
著者は、長年チェルノブイリを取材してきたフォトジャーナリスト。
あのとき現場で何が起きていたのか。なぜ、東電はあの事故を防げなかったのか。「ただちに健康に影響はない」と繰り返し、情報を隠蔽した政府の対応は、あれで良かったのか。
事故後10年以上経っても、いまだにきちんとした検証が行われていないように感じる。(22/05/14読了 24/02/20更新)