科学者と数学者が頭をかかえる8つの難問 ★★☆☆☆ A. K. デュードニー 青土社
久しぶりに数学の本を読むと楽しい…と思ったのだが、これは書物としてのクオリティーが低すぎる。
何より致命的なのは、数式の誤植が多いこと。読んでいてストレスが溜まることこの上ない。
80頁5行目右項の分母:(誤)c^2-v^2 →(正)√(c^2-v^2) 81頁5行目右項の分母:(誤)c^2-v^2 →(正)√(c^2-v^2) 196頁15行目:(誤)R√2 →(正)R(√2) 199頁3行目:b, e, a は斜体 213頁8行目:(誤)自然数 →(正)実数 227頁15行目:(誤)p∨p →(正)p∨q 228頁4行目:(誤)(3番めの)p →(正)q 279頁7行目:k は斜体
翻訳も下手。数式も見にくいし、縦書きと横書きが混在するのも煩わしい。
しかも、信じられないことに、裏表紙裏にある原著のタイトルまでもがめちゃくちゃに間違っている。PloblemsとかLimitseとか、おかしいと思わないのだろうか?訳者も編集者も、原稿をチェックしていないとしか思えない。
内容としては、量子力学のEPR実験、カオス、連続体仮説、ゲーデルの不完全性定理、NP問題など、どこかで一度は聞いたことのある話。
それぞれのトピックは興味深く、それだけで一冊の本になるような内容を含んでいる。しかし、翻訳の悪さを差し引いても、説明自体がわかりにくい。他の本できちんと勉強したいと思った。(24/02/03読了 23/02/04更新)