Home > 世界中の山に登りたい! > えびの高原〜韓国岳〜大浪池一周

06:40 宮崎市発
08:25-08:50 えびの高原駐車場
09:20-09:25 硫黄山展望台
09:45 五合目
10:20-11:20 韓国岳山頂
11:50 大浪池分岐点
12:45-12:50 大浪池最高地点
13:35 大浪登山口との合流点(鞍部)
14:10 大浪池分岐点
14:55 車道
15:05 えびの高原駐車場着

梅雨であるが、天気は周期的に変わり、週末ごとにピンポイントで晴れるというサイクルにはまり込んだ。よって、また山に行かなければならない。
霧島山は、九州では阿蘇山に次ぐ知名度を誇る。天孫降臨の山として、戦前は第一級の聖地とされ、日本初の国立公園にも指定された。戦後、昭和30年代、40年代には新婚旅行のメッカだった。
私はちょうど20年前にここを訪れ、「日本にこんなところがあったのか・・・」といたく感銘を受けた(そのときの記録はコチラ)。当時は、自分が20年後に宮崎に住むことになろうとは夢にも思わなかったが。
そのとき、韓国岳から新燃岳を経て、高千穂峰まで縦走した。その後、2011年に新燃岳が大噴火を起こし、このルートは通れなくなった。
そこで今回は、えびの高原から韓国岳に登り、しかる後に大浪池を一周するというルートで歩くことにした。

宮崎市からこの山に向かう場合、都城市を経由する高速道路は遠回りになるため、下道で行ってもかかる時間はほとんど変わらない。
えびの市や小林市は、宮崎とは言っても鹿児島文化圏である。実際このあたりは、薩摩藩の一部だったのだ。
2018年、韓国岳の麓にある硫黄山でも噴火が起き、現在でも硫黄山の周辺1kmは立入が規制されている。県道1号線は、わずか1kmちょっとの区間が立入規制区域に入り込んでいるため、宮崎側からアプローチする場合、逆サイドからぐるりと回り込まなければならない。

県道一号線は通行止め

えびのエコミュージアムセンターの広い駐車場に車を止めて、登山開始。
かつての登山道の一部も立入規制区域に入り込んでいるため、その外側に迂回路が設けられていた。

韓国岳(左奥)に向かう

噴煙を上げる硫黄山。右奥は甑岳(1301m)

硫黄臭が鼻につく。ずっとここにいると気分が悪くなりそうだが、標高が上がるにつれて臭気は消えた。
五合目を過ぎると火山岩が目立ち始め、植生も次第に貧相なものになっていく。
七合目を過ぎると、前方に巨大な水瓶のような大浪池が姿を現す。

九合目

山頂付近は火山岩で覆われている

山頂付近は赤茶けたガラガラの火山岩で覆われており、草木一本生えていない。そのため、この山は非常に展望に恵まれ、「韓の国まで見渡せる」ということから韓国岳と呼ばれている。 だがその日は、黄砂のせいか、遠方はぼんやりと霞んでいた。
しかし何と言っても、ここから望む高千穂峰の構図は芸術的なのである。天を突く高千穂峰の神々しい姿は、たとえ縄文人が日本を支配していたといても、あそこに我々の祖先が降り立ったのだという物語を拵えたくなるであろう。
そしてその横には、自然界にこれほど完璧な円が存在するのかと思わずにはいられない、大浪池が満面の水を湛えて佇んでいる。

韓国岳山頂より天孫降臨の山、高千穂峰をのぞむ

韓国岳山頂より大浪池

韓国岳山頂!

韓国岳の噴火口

噴火口の縁①

噴火口の縁②

大浪池に向かって一直線に降りていく。新緑の中に、満開のミヤマキリシマのピンクが映える。木の階段が延々と続いているが、所々朽ちてグラグラになっていた。

大浪池に向かって木道を降りていく

ミヤマキリシマ

鞍部は薄暗くてじめっとしていた。そこから時計回りに、大浪池の縁へと登り返す。
大浪池を一周する道は森の中につけられているが、池のへりに向かって無数の小道が延びている。木々を掻き分けていくと、唐突に、眼前に巨大な池が現れた。
この周回路は、どこを切り取ってきても絶景である。BSの「絶景百名山」という番組の撮影クルーも来ていた。7月28日に放送されるということなので、私が見たのと同じ風景が放送されるはずである。

大浪池現る

大浪池の縁

絶景ポイントより大浪池を見下ろす

絶景ポイントからの韓国岳

ちょっと変わったアングルの新燃岳と高千穂峰

あの辺が大浪池最高地点

「大浪池」といっても、これも立派な火山だ。その最高地点に名前はついていないが、地図によればその標高は1411mである。
GPSで確認すると、ちょうど最高地点のところに岩があって、池側が絶壁になって切れ落ちている。その傍らにはベンチも設置されていた。

ここが大浪池最高地点(1411m)

大浪池と韓国岳

大浪池への取付点のちょうど反対側が最低鞍部(1298m)になっており、ここは多くの人で賑わっていた。鹿児島県側から、ここに向かって遊歩道が延びているのだ。

大浪池を一周する道

大浪池の最低鞍部(1298m)

大浪池一周コースは約3.5km。あまりにたくさん写真を撮りすぎ、一周するのに2時間20分もかかった。
えびの高原に向かって斜めに45分ほど降りていくと、観光客で賑わう車道に出た。そこから10分ほど歩いて、駐車場に戻ってきた。意外に長かった。
帰りに、西郷隆盛も浸かったという白鳥温泉(上湯)に立ち寄った。記録によれば、20年前にもここに来たらしい。

白鳥温泉上湯

今度は、晩秋か初冬に、またここに来たい。
こんなに特異な山が自宅から日帰り圏内にあるというのは、実に幸福なことである。

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