読書日記 2008年

Home > 読書日記 > 2008年

ドイツ人のこころ 高橋義人 岩波新書 ★★★★☆

ベルリンへ向かう飛行機の中で、私はこの本を読み、ドイツ民謡「菩提樹」「ローレライ」を聴いていた。
「ドイツ的なるもの」とは何か?それを、ライン河とローレライ、菩提樹、イタリアへの憧れ、クリスマス、深い森、という5つの視点から論じている。こういう、前キリスト教的な土着性の感じられるのは好きである。対照的な風土をもつドイツとイタリアが、伝統的に親和性が高い、というのは興味深い。
クリスマスは本来キリストの誕生日ではなく、冬至祭、つまり太陽の誕生を祝うお祭りだった。モミの木は、古代ゲルマン信仰における聖なる樹である。
ドイツを訪れる前に本書を一読すれば、何の変哲もない岩山から物語を紡ぎ出すドイツ人のこころに、近親感を感じるだろう。(08/07/11 読了)

前へ   読書日記 2008年   次へ

Copyright 2008 Yoshihito Niimura All Rights Reserved.