テクノ・リバタリアン ★★★★☆ 橘玲 文春新書
なるほど、これは面白い。
あまり深く考えたことはなかったが、いつの間にか、世界ではトンデモナイことが進行しつつあるようだ。
内容は多岐にわたるが、逐一参考文献が与えられているのが良い。
個人的には、PART0の解説がとても腑に落ちた。
これまで、<保守>対<リベラル>の二項対立というのがどうもピンと来なかった。というのも、どんな政党でも、いろんな政策がパッケージになっているが、そのすべてに同意できるということはないからだ。
そもそも、政治的立場を一次元の軸に沿って並べること自体に無理がある。こんな二項対立は、もうとっくに時代遅れなのだ。
本書を読んで、「リベラル」(Liberal)を自称する人たちの主張が胡散臭く聞こえる理由がわかった気がする。
「リベラル」という政治思想は、実際には「自由主義」ではない。それは、「平等」のためならば「自由」は制限されてもいい、と考える立場なのだ。
(それが良いかどうかはともかく)「リバタリアン」(Libertarian)こそが、本当の意味での「自由主義」である(あるいは、「自由原理主義」呼んでも良い)。
なるほど、こういう視点で見ると、イーロン・マスクがなぜドナルド・トランプを応援するのかも理解できる。(24/11/25読了 24/12/22更新)