移動と階級 ★☆☆☆☆ 伊藤将人 講談社現代新書
人生における旅の効能を説いた本かと思ったら、まったく違った。
「移動」といっても、余暇の海外旅行から、日々の通勤、紛争地からの亡命まで、色々ある。それを一緒くたにして議論することに、なんの意味があるのだろう?
アメリカあたりだと、自分の生まれた州から一歩も出ることなく生涯を終える人もいる。「移動格差」というものが存在するのは確かだ。
だが、それは解消すべき「問題」なのだろうか。旅行に興味がない人を、無理やり連れ出す必要はないだろう。
それでいて、飛行機や自家用車での移動はCO2排出量が多いから避けるべき、などと言う。
一体著者は何を主張したいのか、まったく意味不明である。
そもそも著者は、何が楽しくてこんな研究をしようと思ったのか、そのモチベーションがわからない。
こんなのは学問とは言えない。まさに「余計なこと」である。(25/10/11読了 25/10/18更新)

読書日記 2025年