できそこないの男たち 福岡伸一 光文社新書 ★★★☆☆
この人は本当に文章が巧い。プロローグも、レーウェンフック、ネッティーの物語から始まる導入部分も見事である。
ただ、遺伝子が出てくると、こういう普通の説明の仕方しかできないのかな、と思う。
内容については、SRY遺伝子の話や、生命の基本仕様が女であることはあまりにも有名な事実なので、それほどの驚きはない。
男とは、<ママの遺伝子を、誰か他の娘のところへ運ぶ「使い走り」>、という表現は、ドーキンスを彷彿とさせるものがある。
『生物と無生物のあいだ』があまりにも衝撃的だったため、ややインパクトに欠けるかも。(09/01/26 読了)