読書日記 2011年

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パタゴニアを行く 野村哲也 中公新書 ★★★★☆

パタゴニア──アフリカを出発した人類が一番最後に辿り着いた、最果ての地。富士山型の美しい火山がたくさんある北パタゴニア、針峰パイネ山群やフィッツ・ロイの聳える南パタゴニア。空と、氷河の青さが印象的だ。それにしても、パタゴニアは遠い。

筆者は、ヤーガン語(Yagán/Yámana)の最後の話者、ウルスラとクリスティーナ姉妹に会いに行く。モンゴロイドが到達した地の果てパタゴニアの、そのまた南の終着駅、フエゴ島やナバリノ島の先住民だ。2003年にウルスラは天国へと旅立ち、この地球上にヤーガン語の話し手は1人しかいない。確かに、ethonologueでも話者数は「1」となっている。カワスカル語(Qawasqar)も、2006年の時点で話者はもう12人しかいない。一方、マプーチェ語(Mapuche/Mapudungun)は、何十万人というレベルで話者が残っているらしい。(11/03/04読了)

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