読書日記 2014年

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ヒトにフェロモンはあるのだろうか? 柏柳誠 フレグランスジャーナル社 ★★★☆☆

ヒトにフェロモンがあるか、というのはいかにも一般大衆の興味を惹きそうな話題なのだが、一般向けの本というよりはまるでレビュー(総説)とでも言うべき本。著者がまえがきで述べているように、一つ一つの記述が原著論文に基づいているため、研究者にとっては非常に有用である。とりわけ、アンドロステノン・アンドロステノール・アンドロスタジエノンの効果に関しては、とても勉強になった。本書を書くのは、大変な労力の要る作業だったと思う。

しかし、そうであればこそ、本書の致命的とも言える欠点は、引用文献が載っていないことだ。それから、まるで私費出版みたいな安っぽいフォントと、子供の落書きのような挿絵は何とかならないものか(実際、挿絵は筆者の子供が描いたものらしいが・・・)。香りに関する書物はあまりないので、この「香り選書」というシリーズの存在はとても有り難いのだが。(14/04/26読了 14/10/13更新)

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