読書日記 2016年

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一度も愛してくれなかった母へ、一度も愛せなかった男たちへ 遠野なぎこ 新潮文庫 ★★★★☆

この女優のことはよく知らなかったが、実に衝撃的な内容である。壮絶、としか言いようがない。

何人もの男と同時に交際し、結婚してはすぐ離婚することを繰り返す。それはもちろん褒められたことではないけれど、愛されたことのない人は、どうやって人を愛せばよいのか分からないのだ。
これほどの虐待を受け続けてもなお、母親から愛されたいと願う。そのことがまさに、母親からの虐待が、いかに子供の人生に消すことのできない刻印を打ち付けてしまうかを示している。

この母親は、頭がおかしい、としか言いようがない。反吐が出る。
だが、世の中にはこういう人も存在するのだ。
日本は、母親というものは子供に無条件の愛を注ぐものだ、という絶対的な「母親信仰」が強すぎるのではないか?
子供は親を選ぶことができない。こういう母親から子供を守るためのシステムが必要なのではないだろうか。もっと学校が介入することはできないのだろうか。(16/05/03読了 16/05/05更新)

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