家族という病 下重暁子 幻冬舎新書 ★☆☆☆☆
別に間違ったことは言っていないにしても、新しいことも何一つ言っていない。一瞬で読み終わるけど、読んでいて何の発見もなかった。ただの年寄りの繰り言としか思えない。
よく売れる新書というのは、『バカの壁』にしても『国家の品格』にしても、どうしてこうも薄っぺらいものが多いのか。
本書は、著者と同世代の女性からは共感が得られるのかもしれない。この本がベストセラーになったということは、今や本を読む人はシニア層ばかりということなのだろう。
「家族」といっても、親(と兄弟)・配偶者・子供という三つのベクトルがあって、それぞれが摩擦を引き起こす。子供をもたないという生き方を選択したのは著者の自由だが、その著者の語る家族観は片手落ちというものだろう。(16/04/29読了 16/05/05更新)