沖縄・奄美<島旅>紀行 斎藤潤 光文社新書 ★★★☆☆
ガイドブックを除き、八重山について書かれた書物はあまりない。そこで、すでに絶版になっていたが、Amazonで1円で購入した。
著者は、離島巡りを専門とする紀行作家。失礼ながら、文章があまり魅力的でなく、読んでいてわくわく感もない。歴史や文化についても、もっと掘り下げて書いてほしいところだ。
とはいえ、本書を読むと、色んな島に行きたくなってしまう。
日本で一番の秘境といえばトカラ列島だろうが、そのトカラ列島も、最近は「ブランド秘境化」してきているという。(トカラ列島については、同じ著者が別の著作で扱っている。)そこで、沖縄に比べるとだいぶ注目度の落ちる、奄美諸島が狙い目だと思った。
今から20年近く前、初めて沖縄を訪れた。そのとき、あまり観光客の来ない島に行ってみようと思って、特に目的もなく、渡名喜島という小さな島に渡った。家々は立派なフクギに囲まれていたが、過疎化が進み、荒れ果てた家が多いという印象だった。
でもその島は、竹富島と並んで、沖縄で2ヶ所しかない重要伝統的建造物群保存地区に指定されているのだった。当時、ハブのいる山を切り開いて道路を造っていたが、立派な一周道路も完成しているようだ。人口の減少は相変わらずだが。
離島巡りは、時間がかかる。一日にいくつもの島を訪れることは、原理的にできない。訪れるべき島は無数にあり、まだ当分楽しめそうだ。(16/12/06読了 16/12/12更新)