読書日記 2017年

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最後の辺境 水越武 中公新書 ★★★☆☆

カラコルム五大氷河の核心部、地図の空白部として知られたスノーレイク。黄河源流の幻の山、チベットの聖なる山アムネマチン。アラスカ、北極圏のブルックス山脈──エヴェレスト山頂も南極点も観光ツアーで行けてしまう現在、これらは確かに、地球上に残された最後の秘境かもしれない。
アムネマチン ཨ་མྱེས་རྨ་ཆེན། は、かつてエヴェレストよりも高いと思われていたこともあったが、実際の標高は6282mであり、崑崙山脈の最高峰ですらない。
イグアスの滝、北米西海岸、バイカル湖などは、秘境とまでは言えないだろう。アフリカのキリマンジャロとケニア山はメジャーすぎるが、第三の高峰、ルウェンゾリ(5109m)は面白そうだ。

写真はどれも美しく、その1枚を撮るための著者の苦労はいかばかりであったかと思う。特にカラコルムの氷河は、白と青の無機質な世界に思わず息を呑む。
しかし、文章も少なく、1冊の本としてはボリューム的に物足りないのが残念。(17/08/03読了 17/10/11更新)

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