読書日記 2018年

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それでもわたしは山に登る 田部井淳子 文春文庫 ★★★★☆

女性として世界で初めてエヴェレストに登頂した田部井さんは、世界76ヵ国の最高峰に登頂している(自分はまだ7ヵ国)。その中には、シンガポールのBukit Timah(163m)やバルト三国の最高峰(エストニア Suur Munamägi 318m、ラトビア Gaiziņkalns 312m、リトアニア Aukštojas Hill 294m)など、およそ登山の対象とは言えないものも含まれているが、田部井さんの海外登山リストは次のターゲットを決める上で大いに参考にさせてもらっている。

だが、田部井さんはやっぱり凄いのだ!
本書を読むまで知らなかったが、癌で余命3ヶ月の宣告を受け、抗がん剤の治療を受けながら登山を続けていたのだという。自分も、身内を抗がん剤治療の末に亡くしたから、少しはそのつらさが分かる。
しかも、周囲にはそのことを知らせないまま、講演をこなし、ステージでシャンソンを披露(!)し、被災地の高校生を連れて富士山にも登頂した。周囲の人もまったく気付かなかったというから、驚愕する。

本当に、人生を楽しみ尽くした人だと思う。旦那さんのサポートも含めて、田部井さんの人柄のなせるわざなのだろう。
自分にも、いつか必ず最期が来る。「六然訓」を肝に銘じて生きていきたいものだ。

自処超然 じしょちょうぜん
処人藹然 しょじんあいぜん
有事斬然 ゆうじざんぜん
無事澄然 ぶじちょうぜん
得意澹然 とくいたんぜん
失意泰然 しついたいぜん

(18/02/19読了 18/02/23更新)

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