読書日記 2018年

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シェルパ斉藤の世界10大トレイル紀行 斉藤政喜 山と渓谷社 ★★★☆☆

アメリカの"Blue"というアウトドア雑誌が選んだ「世界7大トレイル」に、著者が独断と偏見で3つを付け足したもの。アンナプルナ・サーキットについて知りたくて読んでみた。

しかし・・・、個人的には、「山頂」というわかりやすい目標がないとテンションが上がらないのだ。
アンナプルナ・サーキットのチベット的な荒涼とした光景も悪くないが、同じ時間をかけるなら、エヴェレストBCに行ってカラ・パタール(5545m)かゴーキョ・ピーク(5360m)に登りたいと思ってしまう。
本書で紹介されたトレイルの中で唯一行ってみようと思ったのは、エチオピア最高峰ラス・ダシャン(4550m)へ向かうシミエン・トレイルである。キリマンジャロはベタすぎるしベラボウに高いので、むしろこっちのほうが面白いかもしれない。
インカ・トレイルもかなりベタだろう。パタゴニアはいつか行ってみたいと思うが、そこあった文化はすでに抹殺されてしまったので、時間と労力を考えると優先順位は低い。
それ以外はどれも欧米のイージーなトレイルで、わざわざ出掛けていくほどの魅力は感じない。老後の楽しみとしてはアリかもしれないが・・・。

全体的に著者が楽しそうなのは良いが、無邪気というか、年齢の割に自己陶酔気味である。
紀行文としては、文化的・歴史的な側面から掘り下げたような記述がなく、物足りない。スコットランドとイングランドの仲が悪いのは「常識」だと思うんだけど・・・。(18/12/15読了 18/12/16更新)

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