エヴェレストより高い山 ジョン・クラカワー 朝日文庫 ★★★☆☆
この本、2018年の出版だから新しい本かと思いきや、原著の出版は1990年とかなり古い。
「登山をめぐる12の話」というサブタイトルがつけられているが、登山というよりクライミングの話題が多い。著者がアメリカ人だから当然だが、アメリカが舞台の話が多く、いまいちピンと来なかった。
12の話の中で断トツで面白かったのは、最終話の「デヴィルズ・サム」だった。弱冠23歳の著者が、ソロでこの岩山に挑んだときの記録である。
一体どんな山なのか・・・と思って検索してみると、なるほど印象的な姿である(Wikipedia)。このDevils thumbとかいう何の面白味のない名前がつけられた標高2767mの岩山は、アラスカと、カナダのブリティッシュ・コロンビア州との境界に聳えている。
それから、数学者にして「ボルダリング」というゲームの創始者である伝説の男、ジョン・ギル(John Gill)。
「訳者あとがき」によれば、ギル最高の登攀といわれるスィンブル(Thimble)は、1992年に草野俊達によって再登されたとある。この草野さんは、実は私の高校時代の山岳部の先輩なのだ。
これまたネットで検索してみると、なんとジョン・ギルその人がアップした、1992年に草野さんがスィンブルを登攀したときの動画が見つかった!(スィンブルの写真はこちら。よくもまぁ、こんなのに登ろうと思うものだ・・・)(18/12/17読了 19/01/27更新)