インド人の謎 拓徹 星海社新書 ★★☆☆☆
インドの歴史、ヒンドゥー教、カースト制といった教科書的なことから、食(カレー)や娯楽などインドを旅するためのガイドブック的なことまで盛り込んであるが、どの話題も中途半端でありきたりな感じがする。
前半はまるでウィキペディアをコピペしたようであり(ただし言語・民族に関する記述はない)、かといって、後半に魅力的な、あるいは印象的なエピソードが書かれているわけでもない。
あとがきには「巷に溢れるインド本の嫌インド的記述に胸を痛め、インド観光地の状況を客観的に解説するガイドブックの執筆を思い立っ」たとあるが、違和感しかない。
巷にインド本が溢れているのは事実だが、嫌インド的な記述にはお目にかかったことはないし、本書を読んでインドの旅に誘われることもない。
インド本には名著と呼ばれるものが多数あるので、今さらそれらを超える本を出すのは難しそうだ。
著者はカシミールの専門家らしいので、むしろカシミール紛争について書いて欲しい。
Salaam Baalak Trustという団体が、ニューデリー駅周辺のストリート・チルドレンが集まる場所を案内してくれるというツアーを主催しているらしく、機会があれば参加してみようと思った。(19/05/19読了 19/06/23更新)