パタゴニア・アンデス・アマゾン 大自然ガイド　さかぐちとおる　彩流社　★★★☆☆

半世紀前にはジープで横断するのも命懸けだったアタカマ高地も、今や誰でもツアーで観光することができる。
本書は、＜大自然＞ガイドと銘打ってあるけれども、ツアーで観光できるところばかりなので、風景写真はお決まりの構図が多い。写真集というよりは、ガイドブックに載せるような写真で、あまり迫力は感じない。

とはいえ、写真は確かに綺麗。特に動物の写真がいい。
中でも、荒涼とした湖をバックに悠然と歩くビクーニャの群れと、一列に並んで甲羅干ししているカメの写真が好き。
逆にいえば、ツアーで行ける範囲内でも、これだけ綺麗な写真が撮れるのだ。本書はむしろ、「写真撮影ガイド」にした方が良かったのかも。
私も、このくらいの写真が撮れるようになりたい。せっかく南米まで足を伸ばすのなら、撮影のテクニックを磨いてから行ったほうがいい。

･･･などと妄想しているうち、世界の様相はすっかり変貌してしまい、南米に行くなどというのは遙か遠い夢になってしまった。（20/05/28読了 20/08/02更新）