文章読本 吉行淳之介 選・日本ペンクラブ 編 文春文庫 ★★☆☆☆
谷崎潤一郎、井伏鱒二、川端康成、三島由紀夫といった昭和の文豪たちによる、「文章を書くということ」についての文章を集めたアンソロジー。
これを読めば、自分も少しは巧い文章が書けるようになるかも・・・などと期待しながら読み始めるが、丸っきり実用性はない。
何より、ここに集められた文章が良い文章とは思えない。「文章読本」というタイトルの本は谷崎、川端、三島、中村真一郎、そして丸谷才一によって書かれている。川端康成がこういう本を書いているのは意外だが、そのあまりパッとしない文章は、実は弟子による代作なのだそうだ。
最後の、金井美恵子による「言葉と<文体>」などは、悪文の典型。こういう文章を書いてはいけない。(21/01/06読了 21/01/22更新)