死体は語る ★★★☆☆ 上野正彦 文春文庫
かつて大ベストセラーとなった本。著者はエッセイの名手で、確かに読み易く面白い。
内容は昭和感満載。ホテルニュージャパンの火災など、歴史的事件も出てくる。著者は昭和4年生まれ、本書の出版が平成元年だから、まさに昭和時代そのものだ。
現代の法医学の世界は本書の内容とはかけ離れているだろうし、時代背景が違いすぎて、本書で語られる死者への共感も感じにくい。今読むと安っぽいミステリーのように感じてしまうが、昭和はこんな時代だったのだ。(22/01/09読了 22/01/10更新)