読書日記 2023年

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ウクライナ戦争 ★★☆☆☆ 小泉悠 ちくま新書

著者は、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以来、一躍時の人となった。
刻々と変わりゆく情勢の中で、多忙なスケジュールを縫って本書をまとめ上げた著者のバイタリティーには感服する。

本書は、2022年9月までを扱っている。しかしそれは、(「あとがき」にもある通り)この戦争を総括するタイミングとしてはまったく適切ではない。
本書の賞味期間は非常に短く、あと1年もすれば存在意義が失われてしまうだろう。

はっきり言って読みにくい。軍事用語が断りなく出てくるが、よほどのミリタリーオタク以外には厳しいだろう。
また、およそ一般的とは思えないアルファベットの略語が無駄に多用されていて、ずっと前の方のページを繰らないと定義が見つからず、ストレスが溜まる。

では結局、この戦争をどう理解すればいいのか?
その答えを期待しながら読み進めるも、最後の最後になって「プーチンに開戦を決断させた動機は何であったのかは、現時点では『よくわからない』と認めるほかない」などと言われると、脱力するほかない。(23/02/23読了 23/03/01更新)

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