理科系の作文技術 ★☆☆☆☆ 木下是雄 中公新書
本書は、中公新書の中でも一、二を争うロングセラーだろう。1981年刊。私が購入したのは第88刷である。
だが、はっきり言って、今この本を読む価値はない。なぜ今なおこの本が売れ続けているのか、謎である。
400字詰めの原稿用紙にアタマから書いていた80年代と、Wordなどのワープロソフトがある現代とでは、文章の書き方が根本的に変わってしまった。論文はタイプライターでタイプし、学会発表ではスライドを使っていた(OHPすら最新の機器だった)時代の話だ。したがって、本書に実用的な意義はない。
そもそも、「理科系の作文技術」というけれど、装置のマニュアル、予算の申請書、手紙、原著論文、一般向けの概説書を一緒くたに議論するなんてナンセンスだ。
さらに言えば、著者の日本語がクセが強すぎるため、本書の文章自体が参考にならない。日本語の文章中にセミコロンなんか使わない。読み物としての面白さもない。(23/02/25読了 23/03/01更新)