Home > 世界中の山に登りたい! > 北谷登山口〜国観峠〜祖母山〜風穴〜北谷登山口
07:55 北谷登山口 駐車場着
08:10 北谷登山口発
08:50 一の鳥居登山口からの合流点
09:05-09:10 展望台
09:25-09:30 三県境
09:50 国観峠
10:30-11:10 祖母山山頂
12:15 風穴
13:10 北谷登山口 駐車場着
高千穂を拠点に、祖母山(1756m)に登った。72番目、3年ぶりの百名山。宮崎県最高峰でもある。
神武天皇の祖母、トヨタマヒメを祀っているから祖母山という。しかし、それは後付けの説明に過ぎない。この山は、「祖母」という日本語ができるずっと前から崇められてきた。
『日本書紀』には「高千穂の添山(そほりのやま)」という記述があり、ここから来ているらしい。では、「そほり」とは何か?どうもはっきりしないのだが、古朝鮮語に由来しているらしく、ソウル 서울 とも同語源なのだとか。ちょっと眉唾な気もするが・・・。
というわけで、大分側からのルートのほうがメジャーだけれども、宮崎(高千穂)側からのルートのほうが由緒正しいのだ。「日本アルプスの父」、ウォルター・ウェストンも、1890年(明治23年)にこちらから登頂している。
高千穂から北谷登山口まで、直線距離にして10km足らずだ。
6時、高千穂の中心部にあるレトロなビジネスホテルをチェックアウト。今日もいい天気だ。
途中、三秀台─日向、豊後、肥後の三州を一望のもとにできることからこの名がある─に立ち寄る。ここにウェストンの碑がある。
祖母、九重、阿蘇の展望が素晴らしいという触れ込みだったが、祖母以外の山は木々に隠れてあまり見えない。高千穂に泊まって祖母山に登る人はあまりいないだろうとタカを括っていたが、こんなところで油を売っている場合ではなかった。
北谷登山口までの車道は、とんでもない悪路だった。ぎりぎり一車線分の幅しかない未舗装のデコボコ道が続き、片側が断崖になっていて、柵もない。対向車が来たらアウトである。
日本にまだこんな道があるのかと思うほど車体は激しくバウンドし、買ったばかりの車に穴が開くんじゃないかとヒヤヒヤした。この道は二度と運転したくない。
やっと駐車場(といってもただの広場)に着いた。祖母山は数少ない九州の百名山だけに、県外からの車も多い。スペースは充分にあるとはいえ、車は無秩序に停められていた。
8時10分、ようやく登山開始。
千間平コースを行く。道はよく整備され、一合ごとに等間隔に立派な標識が立っている。
五合目付近に、宮崎・熊本・大分の「三県境」がある。三県境は全国に44箇所しかないから、かなりレアな場所だ。(厳密に言うと、和歌山県に飛び地があるため和歌山・奈良県・三重の三県境は5箇所もあり、それも合わせると48箇所となる。雲取山、甲武信ヶ岳の山頂も三県境だ。)
七合目を過ぎると、だだっ広い広場(国観峠)に到着。ここからもう一頑張りで山頂だ。
山頂からは360度の大展望、今まであまり見たことのない九州の山々が一望のもとだ。だがやっぱり、九州の山は低い。空気が澄んでいれば四国まで見渡せそうだが、遠方は霞んでよく見えない。
まず目を引くのは、傾山への長大な縦走路だ。傾山は、その名の通りの見事な傾きっぷり。
赤茶けた阿蘇山は、根子岳の鋭いピークが天を突く。ギザギザの九重連山の隣には、由布岳と鶴見岳が意外に近い。
山頂より南東面:傾山への縦走路② 本谷山〜傾山、大崩山(右奥)
帰りは、風穴コースを下ることにする。梯子が連続する険しい道を慎重に下っていく。天気も下り坂だ。
途中、「風穴」がある。中はヒンヤリしているが、真っ暗で奥がどうなっているのかはわからない。
やがて沢沿いの道になり、何度か徒渉を強いられる。増水時には難儀しそうだ。
ちょうど5時間で駐車場に戻ってきた。
対向車が来ないように祈りながら、またデコボコ道にそろそろと車を走らせる。
途中、開発から取り残されたように、「祖母嶽神社 一の鳥居」というのがあった。かつてはここが登山口だったのだろう。中途半端な車道なんか造らず、ここから歩き始めるようにすればいいのに。(一の鳥居からの登山道もあるようだが、ほとんど歩かれている形跡がない。)
帰りに、日之影温泉に立ち寄った。ここは、かつての高千穂鉄道日之影温泉駅を改修した温泉施設で、列車内に宿泊できるのがウリになっている。
高千穂鉄道は、かつては観光の目玉として賑わっていたようだが、2005年の台風で甚大な被害を受け、残念ながら廃線になってしまったのである。
東九州自動車道は、スイスイ走れてストレスフリー。宮崎ライフの楽しみ方が分かってきたような気がする。
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