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3.カルビの国・後編

大晦日。
この日は、ホームステイ先のお父さんの実家がある農村を訪問する。
その村は、空港があるディマプールの郊外にあった。鄙びたディフー駅から鉄道に乗り、40分ほどでディマプール駅に着く。料金はたったの30ルピー(50円)だ。
カルビの国の衝撃映像その3は、ディマプール駅でのことだった。前を歩いていたアッサム人(?)の女の子が立ち止まったかと思うと、泣きながら嘔吐した。吐瀉物の中で、数十センチもの巨大な回虫が身体をくねらせていた・・・。

鄙びたディフー駅。なぜかヤギもいる

ディマプール行きの列車

車内の様子。すごい数の扇風機!

ディマプール駅に到着

駅からオートを乗り継いで、Long Kathar村へ。
ここはのどかで、実に気持ちの良いところだった。まだまだ収穫は先だが、パパイヤやバナナ、ジャックフルーツがたわわに実っている。雨期にここを訪れたら、また違った風景が見られるだろう。
お父さんは広大な農地を所有し、ベンガル人の小作人が畑を耕す。小作人の住む小屋は、ウシの糞で壁を塗り固めた粗末なものだ。ここは、格差社会なのである。

Long Kathar村

パパイヤの木

小さなパパイヤの木

バナナの木

ジャックフルーツクフルーツの木

マンゴーの木

広場

村で唯一の商店

村の風景

お父さんの畑①

お父さんの畑②

お父さんの畑③

ベンガル人の小作人一家

小作人の家

日も暮れ、そろそろディフーに戻ろうかという頃になって、どこからともなくワラワラと村人が集まって来た。お父さんはなんと16人兄弟(うち8人は異母兄弟)で、この村の住民はみんなお父さんの親戚なのだった。
お父さんはその都度、「この方はジャパンのトーキョーというところから来たプロフェッサーである」と紹介するものだから、大騒ぎになって、一緒に写真を撮ってくれとせがまれる。何も凄いことはしていないのに、なんだか申し訳ない気分になってくる。
お父さんの運転する車で、ディフーの町に戻る。このときに通った、ジャングルの中のデコボコ道は凄まじかった。電車であれば40分ほどの道のりが、たっぷり3時間もかかった。
ようやく家に辿り着いたときには、またもやヘロヘロになっていた。だが、このあと更に、大晦日の年越しパーティーが控えているのだ!
また別の親戚のお宅にお邪魔して、飲めや歌えのどんちゃん騒ぎが始まった。お父さんはカラオケセットを携えてきて、ヒンディー語の歌を熱唱。他の者は、それに合わせて舞い踊る。こうして、2019年は暮れていくのだった。

年越しパーティー

明けて、2020年元旦。
インドでは、お正月にみんなで連れだってピクニックに行く風習があるらしい。
昼過ぎに、Siloni Picnic Spotという公園へ行く。ここには、カルビに限らず、アッサム中から諸民族が集まってくる。

Siloni Picnic Spot①

Siloni Picnic Spot②

Siloni Picnic Spot③

竹筒を使って、伝統的な方法でご飯を炊く。料理はバナナの葉の上に盛りつけられる。最高のおせち料理だ!

竹筒でご飯を炊く

ご飯が炊けた

準備完了!

2020年のおせち料理

その翌日は、丘の上にあるヒンドゥー寺院にお詣りしたのち、最近嫁いだばかりのお姉さんの家で催されるパーティーに参加するというプログラムが組まれていた。
でも。
正直、そろそろカルビは食傷気味になってきた。明日もきっと、似たような展開になるに違いない。
インド北東部に滞在できるのも、あと1日半。
せっかく、波濤を越えてはるばるここまでやって来たのだから、他の民族にも会ってみたい。なにしろここは、インド随一の多様性のホットスポットなのだから。
それで、お姉さんには大変申し訳なかったが、わがままを言ってパーティーをキャンセルさせてもらった。
私は、ナガの国に行くことにした。(つづく

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