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インド北東部とは

「インド」と聞けば、誰もが、インド洋に突き出した三角形─インド亜大陸─を思い浮かべるだろう。
だが、それだけがインドではない。
インドの西側にはパキスタン、東側にはバングラデシュという国がある。そして、バングラデシュのさらに東、ミャンマーとの間に、知られざる「もう一つのインド」があるのだ。
インド北東部は、幅わずか32kmの「シリグリ回廊」で辛うじて本体とつながっている。アッサム、メガラヤ、ナガランド、マニプール、ミゾラム、トリプラ、アナーチャル・プラデシュという7つの州がひしめき合い、「セブン・シスターズ」とも呼ばれる。
ここは、「もっともインドらしくないインド」である。ここに住む人たちは、いわゆる「インド人」ではない。私たちと同じ、モンゴロイドなのだ。
ここは、多様性の国・インドにおいても、多様性のホットスポットである。何百もの少数民族が、それぞれのアイデンティティーを頑なに守りながら暮らしている。
一つ一つの民族が、それぞれの言語をもち、神話をもち、それぞれの世界観の中に生きている。地球上に、こういう小宇宙が数千もあることを思うと、眩暈がする。

ここはまた、「もっとも旅人に開かれていないインド」でもある。
旅行のためのインフラは、恐ろしく整っていない。道路の多くは未舗装で、50kmを移動するのに3時間もかかったりする。
第一、観光地と呼べるような場所はあまりない。
しかし、だからこそ、ここには観光客向けではない、生きた少数民族の暮らしがある。
とはいえ、少数民族の社会は排他的である。一人でふらりとインド北東部を訪れて、外側から彼らを眺めてみたところで、何も面白いことは起こらないだろう。
でも、ひとたび彼らの中に入り込むことができれば、彼らは驚くほどの親切さで、まさに家族と同じように接してくれるのだ。

1.カジランガ国立公園 編
2.カルビの国・前編
3.カルビの国・後編
4.天空の町、コヒマ 編
5.コルカタの街かど 編

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