ヒマラヤ 生と死の物語 ★★☆☆☆ 池田常道 山と渓谷社
有名なマロリー、アーヴィンのエベレストでの遭難(1924年)に始まる、ヒマラヤを舞台にした13の遭難の物語。
だが本書は、すでに書物として出版されているものをまとめただけで、客観的記録の羅列にすぎす、退屈だった。
もちろん、遭難してしまっては後世に記録を残すこともできない。
だが、遭難から九死に一生を得て生還を果たした場合、その手記は、極限的体験の当事者にしか書けない、稀有なものとなる。とりわけ、(本書でも取り上げられている)松田宏也『ミニヤコンカ奇跡の生還』、ジョン・クラカワー『空へ』、山野井泰史『垂直の記憶』はいずれも、臨場感あふれる名著である。
原典を読んだほうがよっぽどいい。(24/11/02読了 24/11/05更新)